女40歳、お嫁にもらってもらいます!
「ごめんなさい。心配で…、いやちゃんと見届けたくて後を付けてきてしまいました。」

私の前でしゃがみ込むその人の気配。

私の顔を覗き込むのは、もちろん主任。

「どうして大野に何も言わないんですか?」

「…そんな資格は私にはない…。」

「どうして?」

主任の声はこんなにも優しい。

「私は晃太朗の事を…、仕事と天秤にかけてしまった。」

主任の手が私の両肩に触れる。

「…やっぱり俺達に話していない事がまだあったんですね。」

主任は膝をついて、私を愛おしそうに抱きしめた。

「そんな私が晃太朗の胸には飛び込めない…。」

「どうして40歳の女は、先に頭の中で考えてしまうんでしょうね。それは仕事では大きな武器でしょうが、プライベートでは邪魔になる事もある。」

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