女40歳、お嫁にもらってもらいます！

確かに私はそう言った、でもそれは…。

「郁美はそんなひどい嘘は言ったり出来ないって分かっている。」

静かにそんな事をいう大野くんの気がしれない。

「あのね…、大野くん、それは…。」

大野くんに手を引っ張られて、私は布団の中に舞い戻った。

大野くんはとても優しく、そして大事そうに私を抱きしめた。

「ちゃんと責任は取りますから、…結婚しましょう。」

「大野くん、自分の言っている事が分っているの？私は先週40歳になったあなたの上司よ。」

真正面から私を見つめる大野くんが柔らかな笑顔を見せた。

「そんなあなたが好きなんですから、しょうがないでしょう。」

私の驚いた眼から涙がハラハラと零れ落ちる。

そんな私を大野くんがまた抱きしめた。

「…どうしよう…。」

大野くんが私の耳元で囁いた。