偽装恋人などごめんです!

じろりと睨むと、佑さんはしゅんと肩を落として、恨みがましく私を見た。

「……冷たい」

「冷たいって、……そんなの、ただの幼馴染に頼むことじゃないでしょ」

「香乃はやってくれた」

「お姉ちゃんと私じゃ違うじゃん。私じゃ……」

お姉ちゃんは私の五歳上で、佑さんとは三歳違い。
綺麗で社交的で年齢差のないお姉ちゃんならいいんだよ。いや、よくはないけど。
私じゃまるきり子供過ぎて、比べられた見合い相手を侮辱しちゃうことになるでしょう。それくらい気づけよ。

「でももう、野乃のサイズで買っちゃった。服と靴とアクセサリーと鞄」

「はぁ? なにをもったいないことを!」

「もったいないでしょ? だから野乃じゃなきゃ駄目なんだ」

そこで満面の笑みはいらない。いや、格好いいけども。

そのセリフを、もっと違うシチュエーションで、告白とともに言われるならどれだけ良かっただろう。
つか、私、どうしてこんな情けない姿見せられても、この人のこと、好きなままなんだろう。
困ったように見上げてくる顔が可愛いなんて、口が裂けても言いたくない。
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