ひかり
ス…スキンヘッド。。


な、なるほど。

………って、名前書くだけで何回チョーク折ってんの…。

スキンヘッドに、顔に大きな傷、身長は2mあるんじゃないかっていうくらいの巨体。
教室に入るのもギリギリだった。

だから、先生が誰でも持っているような名簿、チョークケース、黒板消し…全てが小さく見える。

そんな巨体でいかにも強そうな見た目なのに、ちゃんとスーツを着ていて…。
(いや、当たり前なんだけどね?)
…なんか、かわいい…、

「残念ながらお前らの担任になってしまった、溝口辰ミゾグチ タツだ。よろしくな、そして、俺を怒らせるな。いいな?」

「は、はい!」

…え?

みんな返事しよ…?

「おぉ、そこの女威勢がいいな!今から自己紹介だ。お前からやれ」

「は、い。えと、如月美桜です!よろしくお願いします!」

普通の…自己紹介。

でも、中学時代みたいにくらい学校生活、送りたくないもんね!最初が肝心。まぁ、普通くらいの出来かな〜…おっと、

「如月の妹か…お前。」

また、このパターン…

クラスメイトも、恐怖の目、蔑むような目、驚きの目、羨望の目…など様々。

ズカズカと私の方に歩み寄る先生。

入学早々呼び出しとか?面談?説教?!でも、私悪いことやってないし…。きっとお兄ちゃんも。
まさか、あいつか?飛羽磨?(とんでもないとばっちり。)

「お前があの如月ご自慢の妹か!どうりでね…。」

「どういうことですか?」

「いっつも、あいつが話してたんだよ」

「お兄ちゃんが?」

「まぁ、あいつの言ってた通りだな…」

「な、なんて言ってたんですか?」

「この周りのヤツらの反応でわかんねぇ?」

回りって…?

男の子たちが目を合わせてくれない…。
頑なに下を向いてる子とかもいるし…。

さっき、仲良くなれたと思っていた、俊くんも、羚くんも、目を合わせてくれない…。

…やっぱりお兄ちゃんが暴走族だから、みんな怖いのかなぁ…。

「せ、先生、私、早くもみんなから嫌われているのでしょうか…」

あーあ。せっかく楽しい高校生活になれると思ってたのに。それに、もし、お兄ちゃんが原因なら、誤解してる…。ずっと一緒にいた私は知ってる。
みんな…いいヤツらだもん…。
悔しくて、悲しくて、涙が出そうになったその時、

「「「はぁ〜。」」」

すんごいため息。

面倒くさいやつだって思われちゃったよね。

「お前、ほんと兄貴の言ってた通りだ(絶世の美女、かつ、引くほど鈍感。そりゃあ、シスコンにもなるわな…)」

「美桜…そういう顔…男の子に見せない方がいいかも…(この鈍感っぷりはなに?!変な男が寄り付かないようにしないと…。)」

「ほんと、どういうことなんですか?」

キンコーンカーンコーン

「あ、お前ら廊下並べ〜、特別集会だから体育館へ移動!」

ぞろぞろ外に出ていくクラスメイト。

「美桜!いこ?」

花京と一緒に廊下に出る。

話があやふやなままになったことに不服だけど、遅れるわけにはいかないしね。







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