アナタと、キスと、銃声と。

朝陽くんと、電車を乗り継いで最寄り駅から少し歩いた。






「…梨瑚んちってここ?」


「そう、引いた?」


「いや…迎えくるし執事みたいなのが付いてくるからお嬢様なのかと思ってた」




家の前には何人もの黒づくめの組員の人たち。


その出で立ちと鋭い目に圧倒された朝陽くんが声を潜めながら言った。


でも、引いたとかそんな感じじゃなくてよかった。






「送ってくれてありがとう」


「ん、また明日な」


「また明日」






バイバイっと手を振って朝陽くんと別れる。


深呼吸して、1歩踏み出す。


翔平ちゃんと、ちゃんと仲直りしよう。


そう、思ってたのに。


玄関を開けて、一番最初に飛び込んでまきたのが。




…翔平ちゃんと美華さんがキスしてるところだったなんて。


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