アナタと、キスと、銃声と。
「いっ……てー…」
ここは、病院?
カーテンの隙間から陽の光が眩しい。
ピ…ピ…と聞こえる電子音は俺から出ている管と繋がっていた。
部屋には、クローゼットと洗面台と、ソファーとテーブルと。
その1つ1つが…現実なんだって思わせてくれる。
……生きてる。
「………ん…」
右隣から聞こえてきた寝言。
右手に感じる温もり。
隣を見た瞬間、夢と同じようにまた涙が出てくる。
気持ちよさそうに眠る、梨瑚を、抱きしめる。
背中は痛む。
だけど、夢から覚めて梨瑚を抱き締められてる。
その現実の方が俺の頭をいっぱいにする。
寝ている梨瑚の唇に、唇を重ねる。
「おはよう、梨瑚」