アナタと、キスと、銃声と。

「そう言えば、白鷺の家だけ家庭訪問のプリントが提出されてないな」


「あ……」






忘れてた、家庭訪問。


プリントが配られたのは1週間前。


ちょうどお父さん達が出かけて行った日。


こればっかりは、お父さんの仕事の都合、承諾を得ないことには勝手に決められない。






「早く提出しないと、時間帯埋まっていくぞ」






そんなこと言われたって…。


連絡すらつかないんじゃしょうがないじゃん。


私が返答に困っていると。


…何やら廊下が騒がしい。






「校内に入る時は許可を…!」


「なにあの人!かっこいい!」






黄色い歓声に交じって、大きな声で慌てる声も聞こえる。


職員室の中でもどうしたんだ?と騒ぎになりかけた時。


バンッと勢いよく職員室の扉が開いた。


わたしを含め、職員室にいた先生たちも、音のする方へ顔を向けた。


異様な…黒い空気。


先生たちもその空気に圧倒されて、動けない様子だった。


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