アナタと、キスと、銃声と。
少し銃口をずらし。
──────バンッ!!!!!
私の右耳の真横で銃を撃った。
「いっ!!!」
「うぐああああ…っ!!」
右耳が痛い。
耳鳴りがして、何も聞こえない。
わたしの声と同時に、亮くんが床に倒れ込み足を抑え苦痛の表情を浮かべていた。
手に血がついていて、足を撃たれたんだとわかった。
「亮くん…!!」
「これで誰もいなくなりましたね」
そう言う男を見る。
口元には笑みを浮かべ、背中がぞくりとした。
「外にいる2人は排除、他のものも負傷。今、最後の一人を歩けなくしました」
「あなたね…!!」
「これは、復讐です」
「誰の復讐なのよ!!!」
「神崎翔平」
「……え?」
男の口から出てきた名前は予想外だった。
神崎翔平…?
翔平ちゃんの…復讐?
「なんだ、知らないんですか」
「なに、を…」
「やめろ!それ以上言うな…!!」
亮くんの声が右耳のせいか遠くに聞こえる。