真 実

俺達は、お互いを大切に
大事に愛を育みあっていた。

椿は、Assamでのピアニストの
仕事を辞めた。

萩原は、中々納得しなかったが
桜小路財閥の妻が、
バーでピアニストをすることは
危険を伴う事になると
隼人に説得されて
泣く泣く、あきらめた。

そんな椿も
お祖父様の仕事だけは
時間の許す限り手伝いをした。

お祖父様は、椿の事を
大層可愛がっていた。

それ以外の人間とは
話す事も限られ
近寄り難い人だ。
お祖父様の元で働く職人達も
椿がいるとお祖父様の
表情が和らぐので嬉しかった。


俺達は、毎日がとても幸せで
穏やかな日々を送っていた

そんな・・ある日・・・


一本の電話が・・あった・・・



『浅倉財閥の総帥と奥様が
事故に巻き込まれ
病院に運ばれました。』

倒れそうになる椿を支え
病院まで急いだ。


病院で待っていたのは・・・


霊安室に眠る
椿の両親
大悟さんとかなえさん。


椿は、泣き崩れ
駆けつけたお祖父様は
そのまま倒れてしまった。

浅倉財閥のお二人の葬儀
喪主として、
椿は気丈に振る舞っていた
そんな椿を俺は必死で支えた

大悟さんの弟の剛さんも
何かと手伝いをしていたが
椿は、あまり快く思って
いないように感じたが
桜小路に嫁いだ椿より
浅倉財閥で会社の中枢にいる
剛さんに弔問客も頭を下げていた。


椿の父親・・
大悟さんのお父様の進さん
進さんの奥様は、
数年前に他界している

かなえさんの御両親は
二人ともかなえさんが小さい時に
亡くなっている為
剛さんが出庭ってきていた。

「大悟さんが亡くなって
会社は、剛さんがやられるのよね
まぁ、良かったわよね
剛さんがいて。
椿ちゃんは、嫁いでいるし」
と、影で色んな話が飛びかっていた。

通夜も葬儀も全て終えると
椿は、悲しみからか
倒れてしまい
俺と乳母の里が付きっきりに
看病した。


その時、警察より話があるとの
連絡を貰い
俺と隼人が出向いた。

椿は、今、対応ができる状態では
なかったので。
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