番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 花霞は笑みを浮かべながら、彼に顔を近づけて耳元で囁いた。


 「赤ちゃんが出来たの」
 「…………え………」


 花霞の言葉に、椋は驚き固まってしまった。
 椋の反応に、花霞はクスクスと微笑んだ。


 「最近、体調悪くなったり、食欲なくなったりして椋さんも心配してくれてたでしょ?だから心配してたんだけど………病院に行ったら、妊娠してるって………きゃっっ」

 
 花霞が話しをしている途中だったが、椋が花霞を抱きしめたのだ。とても優しく、体を労っているのが花霞にはわかった。


 「………嬉しいよ………本当に嬉しい………最高のプレゼントだよ」
 「うん………私もとっても嬉しい」
 「大切にしよう………産まれるまでも、もちろん産まれてからも」
 

 椋がとても感激した様子で、花霞のお腹を見つめていた。
 彼がそんなにも喜んでくれた事が花霞には嬉しくて仕方がなかった。


 「触ってみてもいい?」
 「うん………でも、本当に小さいんだよ」
 「ここに、命がひとつ宿ってるなんて不思議だ………」
 「そうだね」
 「今度一緒に病院に行きたいな。赤ちゃん見てみたい」
 「ふふふ。一緒に行こう」


 思いがけないプレゼント。
 けれど、ずっと待ち望んでいたプレゼント。
 花霞はまた1つ大切な人が出来た事が嬉しかった。

 これからは3人で幸せになるんだ。
 そんな近い未来がすぐそこまで来ているのだと思い、笑みがこぼれる。


 「2人で守っていこう」
 「うん」


 椋の大きくて温かい手をきっと赤ちゃんも感じているはずだ。
 大切な愛しい人共に、まだ見ぬ赤ちゃんに心から「大好きだよ」と伝えた。






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