番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 今日は2人で休みを取り、ある場所に来ていた。椋の後輩であり、椋を「ヒーロー」だと呼び、彼を変えてくれた大切な仲間である遥斗のお参りに来ていた。
 

 そこは街の高台にあるキリスト教徒の墓地だった。彼はキリスト教の信者であった。けれど教徒になった理由は「この場所が、好きなんです。だから、死んだらここからみんなを見ていたいなって思って。」という、何とも彼らしい理由だと椋は教えてくれた。罰当たりな事なのかもしれない。それでも、彼の部屋から使い古した聖書や讃美歌が出てきたという。両親も同じキリスト教徒だったので、幼い頃はしっかりと讃美歌を歌い祈っていたのかもしれない。


 花霞は、手を合わせながら遥斗に語りかけた。
 
 「あの日、私を助けてくれたのは遥斗さんですよね。まだ、ここに来ちゃいけないよって椋さんのところに戻してくれたのは、遥斗さんだって………。ありがとうございます。遥斗さんのおかげで私は彼の元に帰ってこれました。今、とっても幸せなんです。本当にありがとうございます」



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