若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
月日が流れ、大学生になったある日。
母が飼いはじめた犬を連れて散歩に行った公園。そこで彼女に再会したのは七年ぶりだっただろうか。

ブランド物の令嬢らしい服装からTシャツにジーンズというラブな格好に変わり、長かったはずの髪はショートになっていたが、それでも柊子の明るい笑顔は変わっていなかった。

小さな子と一緒に、空を見上げていた彼女。

『柊子?』そう声をかけると、『ゆう?』驚いた顔をして弾けるように彼女は笑った。

『何してるの?』

『子守のアルバイトをしているの。いまね、飛行機雲を見ていたのよ』

彼女は急いでいて、少し話をしただけで別れた。

次の日も、その後も何度か公園に行ったのに、二度と彼女に会うことはなかった。

ベンチでぼんやりと時間をやり過ごしながら、連絡先を交換しておけばよかったと後悔したけれど、それでもまだ心に燻る物の正体を見つけることはできなかった。

いまから半年前、真行寺から送られてきた披露宴の招待状。
新婦の名前に柊子という文字を見つけ、ウエディングドレスを着た彼女を見た時。今思えば、ストンと重たいシャッターが心のどこかに落ちた。

――全てが恋だった。
どうして気づかなかったのだろう。
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