若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)

「お父さん、ありがとう」

新しい父は照れ臭そうにポリポリと頭を掻いて笑った。

「たまには遊びにおいで」
「うん。必ず行く。お正月には絶対に行くから」

「待っているよ」

見えなくなるまで、両親が乗る車に向かって向葵は手を振り続けた。

やがて見えなくなると名残惜し気に手を下ろして、ふと思う。

ちゃんと心配してくる家族がいる。
なのに。

――私、自分で勝手に、ひとりぼっちになっていた。

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