若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「ごめんごめん、パズルがなかなか終わらなくて」

「え?」

涙を溜めたまま向葵が見上げる、

「ひとつ足りなかったよ?」

向葵は恥ずかしそうに照れながら、ネックレスを見せた。

ネックレスのトップに下がる、赤いピース。

手に取ると、レジンで固められたパズルのピースには文字が書いてある


【LOVE】


「え、固めちゃったの? パズルに使えないじゃない」

あははと笑いながら、彼女を抱きしめて、夕翔は向葵のフワフワの髪に顔を埋めた。

「向葵、二年先もずっと、永遠に、妻でいて」

「――夕翔さん……?」

「パーティ、いやなら行かなくてもいい。ずっと妻でいてくれる?」

途端に顔を歪めた向葵は、何度も頷いた。

「行く。大丈夫、パーティも出席する」


これから、沢山のことがあるだろう。

でも大丈夫だ。
辛いことも楽しいことも。ひとつひとつをパズルのように積み上げて、ふたりで夫婦の形を作っていこう。

この愛しい妻さえいてくれば、なにもいらない。

「愛してるよ、向葵。愛してる」



-- fin --
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