若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)

サラダよし。スクランブルエッグとベーコンよし。
缶詰クラムチャウダーは温めるだけでいいし、トーストは起きてきたらセットすればいい。

淹れたてのコーヒーを飲みながら、盛り付ける皿を出した夕翔は満足げに頷いた。

――さて、可愛い妻の様子を見るか。

コーヒーカップを置いて向かったのは寝室。

向葵の希望で、向葵のために用意したマンションがそのままふたりの新居になっている。
高層階ではないが日当たりの良い部屋には、冬とはいえ朝日が満ちているて部屋全体がぬくぬくと暖かい。

奥の寝室には遮光カーテンが下りているが、夕翔が起きた時に半分だけ開けてある。レースのカーテンから洩れる明かりが、寝ている向葵の顔にもう少しで届きそうだった。

どうやら熟睡しているようで、ピクリとも動かない。

今日は土曜。
最近では珍しく土日共に予定のない休みがとれた。
向葵がどこかに行きたいと言い出さない限りのんびり過ごすつもりでいるものの、さてどうしたものか。

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