若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
一日の授業が全て終わり、夏休み談義をひと通りして友人たちと別れた向葵は、こっそり書類をもらいにいった。
旧姓で通すための書類を手にすると、ますます心は浮き足立つ。
その気持ちを抱えたまま、正門を出た。
ふと空を見上げる。
時間で言えば夕暮れ時だが、まだまだ日は長い、空は明るくどこまでも晴れ渡っていた。
実際は明日からだが、気分はすでに夏休み。
蝉の鳴き声に追い立てられて、次々と正門から出てくる学生たちも、散っていく先は、家路ではないだろう。笑顔を咲かせる彼女たちが向かうのは、楽しいことが待っている次の目的地に違いない。
向葵もまた、このまま帰る気持ちにはなれなかった。
――やっぱり、ちょっとだけ。見るだけでも見てみようかな。
そう思いながら、帰り道とは反対の方角へと足を進める。
旧姓で通すための書類を手にすると、ますます心は浮き足立つ。
その気持ちを抱えたまま、正門を出た。
ふと空を見上げる。
時間で言えば夕暮れ時だが、まだまだ日は長い、空は明るくどこまでも晴れ渡っていた。
実際は明日からだが、気分はすでに夏休み。
蝉の鳴き声に追い立てられて、次々と正門から出てくる学生たちも、散っていく先は、家路ではないだろう。笑顔を咲かせる彼女たちが向かうのは、楽しいことが待っている次の目的地に違いない。
向葵もまた、このまま帰る気持ちにはなれなかった。
――やっぱり、ちょっとだけ。見るだけでも見てみようかな。
そう思いながら、帰り道とは反対の方角へと足を進める。