愛さずにはいられない
大悟は手を止めて莉子を見る。
「莉子にはつらい思いもたくさんさせちゃったんだ。苦しいことも。だからこそ甘やかしたいんだよ。俺は。」
「わかります。その気持ち。」
仁が奈央を見ながら話始めるのを大悟は真剣に見つめて聞いてくれた。
「奈央は過去にすごく大きい悲しみを経験して、大きいものを失ってるんです。だからこそ、今は幸せにしたい。甘やかして守ってやりたい・・・。まだ、その過去から抜け出せない彼女を引っ張り上げたいんです。未来に。」
「・・・」
「未来の奈央との時間は俺が欲しいんです。ほかの誰でもない。俺が。」
仁の表情にも大きな悲しみや喪失感があることを大悟は悟っていた。

大悟は立ち上がり仁の背中を思い切りたたく。
「いってぇ!」
「しっかりしろ。そんなんじゃ、彼女を支えられないぞ!。大丈夫、お前たちには時間がまだまだあるんだから。焦ったらだめだぞ。」
大悟からのエールに仁は笑顔を返した。
「はい。」
「よし!肉もってこい。」
「はい。」
仁は大悟と話ができてよかったと思っていた。
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