愛さずにはいられない
次の日。
仁は一人絃のお墓の前に立っていた。

じっと墓石を見つめる。

生きていたころの絃との思い出を思い出す。
その姿や、その声。


「絃。」
その名前を呼んでももう返事をすることはない。

「久しぶりだな。」
仁は絃のお墓の前に座った。
「絃。俺約束しに来た。」
仁はお線香に火をつけてそっと置く。

「絃。俺といつの日だったか話したこと、覚えてるか?俺とお前どっちが奈央を幸せにできるかって話。」
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