愛さずにはいられない
なぜか浮かぶのは笑顔の絃。

その絃に笑い返すように、仁は顔をくしゃくしゃにして笑った。



これは絃と仁。
ふたりにしかわからない会話だ。

いつまでもお互いを思う気持ちも、つながりも変わらない。



「絃、お前はいつまでも俺の大切な、唯一無二の弟だよ。」

仁はそう言って絃の墓石をそっと撫でてその場を離れた。




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