愛さずにはいられない
「奈央」
「仁」
奈央の休日。仕事だった仁から呼ばれて奈央はある美容室の前に立っていた。
「ごめんな。どうしてもあわせたい人がいてさ。」
「大丈夫。今日休みだし。」
「すぐわかった?場所」
「わかるよ。ここの美容室有名だし。」
奈央は仁から連絡が来て呼び出された美容室の名前を知っていた。
かなり有名な美容師のいる予約が常に先々まで埋まっている美容室。
「俺の恩人なんだ。昔は俺が勤めてたチェーン店の店長してたんだけどさ、今はこうして奥さんと独立して美容室やってる。」
「そうなんだ。」
「結婚式の日も来てくれるらしくてさ。ヘアメイクとかメイクの時に俺たちを手伝ってくれるらしいんだ。ヘアメイクが旦那さんの大悟さんで奈央のメイクは奥さんの莉子さん。」
「えっ?いいの?」
「いいって言ってくれたんだ。だから今日はその挨拶。」
仁は奈央の背中をエスコートして美容室に入る。
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