【完】今日もキミにドキドキが止まらない



絞り出すような声で工藤くんが言った直後、胸の奥がきゅーっと音をたてた。


たった今、工藤くんにバカなんて言われたのに。


会いたいって気持ちが同じだったんだって思ったら、なんだか安心感に包まれたみたいに心が温かくなる。



「で、でも……期末テストに集中してほしくて。私も一緒に頑張りたいなって。それに、宮野先生だってすごい期待してるって聞いて、もちろん、私も禁止令は解きたいんだけど……」



語彙力喪失。
一体なにから伝えたらいいのかわならなくなる。


工藤くんで心がいっぱいになって、色んな気持ちが言葉と供に溢れてくる。


「期末って、お前なぁ。だったらなんで頼ってくんねーの?」


「工藤くんのことを……?」



そんな私を困ったみたいな表情で見つめる工藤くんの瞳が、優しい色に染まる。


< 132 / 313 >

この作品をシェア

pagetop