こいつらといる数年より あいつといた一瞬が 輝いているのはなぜだろう
 俺の心友が隣からいなくなった。何も言わずにいなくなってしまった。そんなに思い詰めていることがあるなんて知らなかった。あいつは、いつだって一人で抱え込んで、相談しようとしない。人に頼るのが下手なのか、なんなのか。
 あの時だってそうだ。
 登校中、酷い顔で思い詰めていたから相談しろよって言ったのに。なんでそうひとりで抱え込むんだ。なんで俺に言ってくれなかったんだ。
 いや、俺がもっとちゃんと聞いていればこんなことにならなかったかもしれない。無理矢理にでも、話を聞くべきだった。相談しろよって言っただけで、何もしなかったじゃないか。
 でも、もし無理矢理聞いても話してくれなければ、それは拒絶されたも同然だ。
 淀む曇り空を見上げた。
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