求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
「上原課長、ラランちゃん、お好きなんですか?」

「い、いや! 絶対にそんなことないから!」

上原課長は慌てふためき、足元の紙袋を蹴り飛ばしてしまう。

茶色の紙袋は私達が奪いあったもの。それがバサッと倒れ、テープで閉じた蓋が開き、見事なまでに床に中身がぶちまけられた。

色とりどりのビニールボールが、コロコロと私の眼前を過ぎていく。
たったいま彼に、全力で拒絶されたラランちゃんの絵柄入りのボールだ。

この場に気まずい静寂が宿り、ちらっと上原課長を見やる。

「いや、その……。本当にこれはっ……」

気まずそうな彼に構わず、私は床に散らばったボールをかき集めた。
私を追って身を屈めた彼に、集めたボールを手渡す。

「可愛いですよね。私も大好きです」

私が頬に微笑を讃えたら、上原課長が虚をつかれた表情になる。

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