求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
彼も器用に隠し事を出来るタイプじゃないし、割りとあっさり浮気が発覚した。私が問い詰めた時、彼は顔を歪めて声を綴った。

『彼女は甘えたがり屋の子供だし、俺がいないとダメなんだ。別れて欲しい……』

一度きりの浮気なら許そう。なかなか会えないし、気が緩んだんだろう。

寛大な心でそう思っていたから、夏輝の言葉に私は声を失った。ただの浮気なんかじゃない。本気だった。

夏輝の心は、いつから私になかったんだろう……。

聞けば、相手は彼より十歳下の大学生だという。ひとり暮らしが初めてな彼女に色々と頼られて恋に落ちたという。

片や、私は鋼の心臓を備えた大人の女。

うじうじと落ち込んだり、めそめそ泣いたりしない。どんな困難もひとりで乗り越えられる。それが私への評価だった。

知らなかった。そんな風に思ってたんだ……。

< 7 / 165 >

この作品をシェア

pagetop