求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
ハンバーグの味がイマイチとか、そんな類のものだと思っていた。

飛んできたまさかの提案に、箸で掴んだハンバーグがポロッと皿に落ちる。

口をあんぐりと開けたままの私を気にせず、上原課長が話を続ける。

「毎日のように来て貰ってるし。凜が寝付くまでそばにいてくれるよね」

「それは、凜ちゃんと一緒にいると楽しいですし……」

ここに来たきっかけは、上原課長の負担を減らす為。

でも、凜ちゃんと一緒にご飯を作ったりしているうちに、年の離れた妹が出来たようで楽しくなってきたのだ。

「中野さんがよければだけど。部屋は余ってるし、そこを使っていいから」

「えっと……」

確かにここに暮らしたら、会社帰りに寄らなくて済むし、時間的にも余裕が出来る。

手をかけたご飯だって、ふたりに食べて貰えるよね。


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