求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
上原課長が使っている男性用シャンプーを手に取り、ふわふわになるまで泡立てる。
こんなもんでいいかな……。
爪を立てないよう髪を丁寧に洗い終えると、対面の鏡越しから見られているのに気づく。
風呂椅子に腰掛け、黙りこくる彼の瞳がやけに熱っぽく見えて、ドキッと胸が跳ねた。途端、鏡越しの彼と視線が交わる。
だが、彼は気まずそうに目を逸らすどころか、視線をそのままにじっと私を見つめるだけ。
なっ、なんで、そんなに見てくるの。
言葉より饒舌に心を語りたげな瞳に、鼓動があり得ないほど加速する。
なんとか気を逸らそうと、適当に話題振ってみた。
「あのっ、ビシバシこき使ってくださいね。体力しか取り柄がなかったりするんで」
へへっと肩を竦めて笑うと、上原課長がおもむろに口を開く。
「そんなことない。中野さんは、いいお嫁さんになれるよ」
こんなもんでいいかな……。
爪を立てないよう髪を丁寧に洗い終えると、対面の鏡越しから見られているのに気づく。
風呂椅子に腰掛け、黙りこくる彼の瞳がやけに熱っぽく見えて、ドキッと胸が跳ねた。途端、鏡越しの彼と視線が交わる。
だが、彼は気まずそうに目を逸らすどころか、視線をそのままにじっと私を見つめるだけ。
なっ、なんで、そんなに見てくるの。
言葉より饒舌に心を語りたげな瞳に、鼓動があり得ないほど加速する。
なんとか気を逸らそうと、適当に話題振ってみた。
「あのっ、ビシバシこき使ってくださいね。体力しか取り柄がなかったりするんで」
へへっと肩を竦めて笑うと、上原課長がおもむろに口を開く。
「そんなことない。中野さんは、いいお嫁さんになれるよ」