この雪の下で春を待つ

「…わからない」

「そう」

リークはそっけない言葉を吐いて半壊した修道院の中に姿を消した。

「なら、3日で仕上げるから守れよ」

最後に神の声を残して…。

神は地に潜る。人々の目を欺いて、奪ってきたものを部屋に埋め尽くして。

雪が降る。それはまるで、天花のように美しかった。
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