この雪の下で春を待つ
7.春を探しに

「…ん、リーク…?」

「フー!?」

突然だった。もう寝ようとしていた時、フーは突然目を覚まして身を起こした。でも、すぐにふらついて倒れそうになった体を慌てて支える。

フーはきょろきょろと辺りを見て、リークを見上げた。

「リーク」

「よかった…フーが目を覚まさないからびっくりした」

小さな体を抱きしめる。だいぶ痩せてしまったフーは今までよりも小さくなっていて、離して~と体を押し返す力もほとんどなかった。

やがて諦めたのか、フーはおとなしくリークの腕の中に閉じ込められていた。
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