マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~
キッチン雑貨やホームリビング用品を見て回った後、焼き小龍包が評判の台湾料理店でランチを取った。
ランチの時、焼き小龍包を始めとした飲茶に舌鼓を打っている私の向かいで、高柳さんが『さすがに飲茶は作れないか……いや、蒸籠があればなんとか……』と呟くので、思わず目を丸くした。彼は本当に料理が好きらしい。
私なんて、店で出てきた料理を自分で作ってみようなんて思ったことすらない。
ランチを終えると、ショッピングモール内は大勢の人で賑わっていた。
広く取られた通路も、小さな子どもを連れた家族、カップルなどで溢れていて、場所によってはぶつからないように気を付けて通らないといけないほどだ。
ランチは高柳さんに御馳走になってしまった。
「自分の分は自分で」と財布を出そうとしたものの、カードで瞬殺。そのあとは現金など渡せるような雰囲気ではなく(それこそ“鉄壁”だった!)、結局「ごちそうさまです」と言わざるを得なかったのだ。
(別の機会にきちんとお礼をしなくては……)
お腹が満たされたせいもあって、ぼんやりとそう考えながら人の間を歩いて行く。
(何がいいかしら……)
目を上げた先に、お洒落な雑貨店が目に入った。店内はすでにクリスマス仕様に飾り付けられている。
(あ、可愛い)
ふらふらと吸い寄せられるようにその店に近寄り、一番前に並べられている小さなクリスマスツリーを手に取った。
「これ、リビングに置いて良いですか?」
言いながら後ろを振り返る。―――が、そこ思った人の姿は無かった。
「あれ?高柳さん??」
ぐるりとまわりを見渡すが、人ごみの中に彼の姿は見当たらない。急いで手にしていたクリスマスツリーを戻すと、私は来た道を戻り始めた。
ランチの時、焼き小龍包を始めとした飲茶に舌鼓を打っている私の向かいで、高柳さんが『さすがに飲茶は作れないか……いや、蒸籠があればなんとか……』と呟くので、思わず目を丸くした。彼は本当に料理が好きらしい。
私なんて、店で出てきた料理を自分で作ってみようなんて思ったことすらない。
ランチを終えると、ショッピングモール内は大勢の人で賑わっていた。
広く取られた通路も、小さな子どもを連れた家族、カップルなどで溢れていて、場所によってはぶつからないように気を付けて通らないといけないほどだ。
ランチは高柳さんに御馳走になってしまった。
「自分の分は自分で」と財布を出そうとしたものの、カードで瞬殺。そのあとは現金など渡せるような雰囲気ではなく(それこそ“鉄壁”だった!)、結局「ごちそうさまです」と言わざるを得なかったのだ。
(別の機会にきちんとお礼をしなくては……)
お腹が満たされたせいもあって、ぼんやりとそう考えながら人の間を歩いて行く。
(何がいいかしら……)
目を上げた先に、お洒落な雑貨店が目に入った。店内はすでにクリスマス仕様に飾り付けられている。
(あ、可愛い)
ふらふらと吸い寄せられるようにその店に近寄り、一番前に並べられている小さなクリスマスツリーを手に取った。
「これ、リビングに置いて良いですか?」
言いながら後ろを振り返る。―――が、そこ思った人の姿は無かった。
「あれ?高柳さん??」
ぐるりとまわりを見渡すが、人ごみの中に彼の姿は見当たらない。急いで手にしていたクリスマスツリーを戻すと、私は来た道を戻り始めた。