マリッジライフ・シミュレイション~鉄壁上司は妻を溺愛で溶かしたい~

《四》





ショッピングモールから帰宅し、買った食材を冷蔵庫や戸棚にしまった高柳さんは颯爽とエプロンを身に着ける。

「買ってきた食材で何品か作り置きをしておく。明日からはこれにメインを足せば時短になるからな」

「さすが高柳さん。助かります」

「何を言うんだ。青水もやるんだぞ」

「え!私もですか!?」

「もちろんだ」

「私に出来るでしょうか……」

「大丈夫。ちゃんと教えてやる」

「が、頑張ります………」

高柳さんが作るような本格的な料理を、私なんかが手伝って大丈夫だろうか――
きっと失敗だらけで叱られるのではないかと、戦々恐々とした思いを抱きながら、私もエプロンを着けてキッチンに入った。

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