人間嫌いの本当の気持ち
私は一人で作業していた。
考えていた。

何か、とてつもなく寂しくなった。

これから家に帰ると独りだ。

親は一緒に住んでいても、あまり会うことはない。

身近に話すような人は居ない

唯一繋がりのある地元の友達は滅多に会えない

答えの無い、永遠に続く自問自答、考えていると
そこに彼女が通りかかった。

一日気まずくて私が避けていた。

私は彼女に近づく。
「あの、ちょっと話を聞いて欲しいんですけど、朝の話しとは別です」

「分かった、いいよっ」


仕事が終わり、二人になった


私は彼女にぶつけてしまった。
小さい頃の事、嫌なこと辛いこと、寂しいこと。
彼女の事など一切考えず

泣きながら、ぶつけ続けた。

彼女は聞いてくれていた。
時折「何もできないけど」
など言っていた。
私の手は震えていた。
彼女の顔を見ることが出来なかった。
どんな表情で聞いていたのか。

私は10年以上、誰にも話さなかったことを彼女にぶつけた

次の日
朝の準備の中で私は彼女に謝った。
「あの、昨日はすみません」
「ん?」

「聞かされる側の事、考えてなかった…」

「あ~ まあ…気にしなくていいんじゃない」
「それで楽になるんならね、」



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