異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
王城の厨房で一回目の和菓子作りが始まった。

たしかに広い場所だったが、使用を許されるのはわずかな部分だから、動く範囲はさほどもない。広い場所に慣れている者には制約が大きいと感じるだろうが、メグミはテツシバの作業場で慣れていてその方がやりやすいのだった。

最初の和菓子は、テツシバが誇る“だんご”だ。

とにかく、和菓子ならなにを作ってもヴェルム王国には珍しい菓子になるはずだから、その点でメグミはかなり有利だ。

――これってズル? ……要求されるのは珍しいというだけじゃないから、油断は禁物ってことよ。

だんごはみたらしのタレ、醤油をぬったもの、上に白あんと芋あん、そして食紅で色付けた薄いピンクのの三本組にした。ひとり当たり五本は多いので一本に二個のだんごを刺している。

本当なら、あんこを載せるのが一番だと考えたが、小豆はやはり最後がいい。


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