異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
こうして、国王の決定を受けて合格したメグミは、王城の新たな菓子職人として働くことになった。
住処も王城内に部屋が用意されるので、ジリンの屋敷から出ることになる。
母親のサユリは、最初の約束通り『静養ができる場所』と『最高の医師と薬』のためにジリン公爵に預けるから、離れて暮らさなくてはならない。
待っていたジリンとローズベルベルに結果を報告して豆大福を出しているとき、ふと気が付いてソファに座るジリンに訊く。
「ジリン様。今日の試験で、『最後は大丈夫だろう』と仰っていたのは、テツシバへたまに来るコラン様の正体を知っていらしたからですね」
「当然だ。陛下は、テツシバへメグミの和菓子を食べに行かれていたから、満足されると思っていたよ」
ジリンがコランの正体について何も言わなかったのは、彼が国王として国と民のために動いているのを知っているからに違いない。そのために王都へ出ているのだと。
二つ名に惑わされる者ばかりではないと思えて、何だかほっとした。
メグミはジリンの前に立って深く頭を下げる。
「母のこと、よろしくお願いします」
「ふむ。できる限りのことをしよう。お前は見事に国王専属の菓子職人になったのだからな。後見人は私だ」
そこでジリンはにんまりと笑う。
「グレイが推した者もいたんだがな。さぞかし悔しい思いをしただろうて」
「お父様ったら、そんな子供のようなことを仰らないで」
「お前に言われることはないだろう。それよりもそろそろ結婚して、この家の跡継ぎを……」
父親と娘の言葉のやり取りが微笑ましくて、メグミは二人を笑って見ていた。
住処も王城内に部屋が用意されるので、ジリンの屋敷から出ることになる。
母親のサユリは、最初の約束通り『静養ができる場所』と『最高の医師と薬』のためにジリン公爵に預けるから、離れて暮らさなくてはならない。
待っていたジリンとローズベルベルに結果を報告して豆大福を出しているとき、ふと気が付いてソファに座るジリンに訊く。
「ジリン様。今日の試験で、『最後は大丈夫だろう』と仰っていたのは、テツシバへたまに来るコラン様の正体を知っていらしたからですね」
「当然だ。陛下は、テツシバへメグミの和菓子を食べに行かれていたから、満足されると思っていたよ」
ジリンがコランの正体について何も言わなかったのは、彼が国王として国と民のために動いているのを知っているからに違いない。そのために王都へ出ているのだと。
二つ名に惑わされる者ばかりではないと思えて、何だかほっとした。
メグミはジリンの前に立って深く頭を下げる。
「母のこと、よろしくお願いします」
「ふむ。できる限りのことをしよう。お前は見事に国王専属の菓子職人になったのだからな。後見人は私だ」
そこでジリンはにんまりと笑う。
「グレイが推した者もいたんだがな。さぞかし悔しい思いをしただろうて」
「お父様ったら、そんな子供のようなことを仰らないで」
「お前に言われることはないだろう。それよりもそろそろ結婚して、この家の跡継ぎを……」
父親と娘の言葉のやり取りが微笑ましくて、メグミは二人を笑って見ていた。