異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
メグミはコランに声を掛けた。
「ありがとうございました」
そのまま去ると思われた彼は、店の中に入りサユリの方へ寄って、持っていた包みを渡した。
「メグミから借りていた本だ。返すぞ。書いてあった文字は読めないが、絵は細かくて良く分かった。撒いた種から芽が出て、育ってきている。これで“小豆”とやらにお目にかかれそうだ」
目の前のおばさんの注文に応えていたメグミは、耳に入ったコランの言葉に胸が大きく鼓動を打った。そちらを見れば、コランはメグミを眺めて目を細めている。
――育っているんだ。
彼女は振り返って、家の最奥の窓から垣間見える庭へと視線を飛ばした。あそこには、井戸と、小さな畑がある。畑には、三度目の植え付けをした小豆が育っていた。
――二度、失敗した。父さんは実るのを見られなかったけど、今度こそ。
「ありがとうございました」
そのまま去ると思われた彼は、店の中に入りサユリの方へ寄って、持っていた包みを渡した。
「メグミから借りていた本だ。返すぞ。書いてあった文字は読めないが、絵は細かくて良く分かった。撒いた種から芽が出て、育ってきている。これで“小豆”とやらにお目にかかれそうだ」
目の前のおばさんの注文に応えていたメグミは、耳に入ったコランの言葉に胸が大きく鼓動を打った。そちらを見れば、コランはメグミを眺めて目を細めている。
――育っているんだ。
彼女は振り返って、家の最奥の窓から垣間見える庭へと視線を飛ばした。あそこには、井戸と、小さな畑がある。畑には、三度目の植え付けをした小豆が育っていた。
――二度、失敗した。父さんは実るのを見られなかったけど、今度こそ。