異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
外へ出て、来た道を戻ってゆく。途中にある店を眺めていると、テツシバに近くなったところで馬車屋が目に止まった。

ジリンの言葉が頭の中で浮き上がる。

『もしもその気になったら』

公爵の頼みを聞く気になったら。

『そのときにはおまえを連れてくるよう言っておく』

馬車屋の主に。

立ち止まって、通りを渡った斜め向かい側にある門口の広い馬車屋を眺めていたメグミは、急に動き出してそちらへ足を向ける。

『考えというものは状況によって変わることも』

――その通りですね。ジリン様。

< 74 / 271 >

この作品をシェア

pagetop