消えないで、媚薬。
え……!?何のごめん……!?
ちょっとだけこのままで居ろってこと!?
肩で息しながら必死に抑えてくれてるのが伝わってきた。
そっか、クールダウンしてくれてるんだね。
ちゃんと見極めてくれてる。
少しだけホッとして髪を撫でた。
いつもごめんね……我慢させちゃって。
こんな私に欲情してくれて正直嬉しかったりもする。
女として見られてるんだ…って。
でも引かなきゃいけない一線が曖昧過ぎて困ってるのも事実。
今も本当はキス許しちゃダメなんだよね。
言ってることと行動が伴ってない。
そんな自分が嫌になる。
全然毅然な態度取れてない。
ブレブレだ。
「余裕なくてごめん……あと少しで収まるから」
「うん……」
何て答えればいいの?
私だって余裕ないよ……全然大人じゃない。
「でもあとちょっとだけ……ギュッてしていい?」
ストレートにくるセリフ。
心が言うことを聞かない。
全身で受け止めてあげたくなってる。
これくらい良いよね?って言い訳してる。
下げてたスーパーの袋とバックが手元からすり落ちて床に。
両手が空いた状態で良いよと言ってしまう私はダメな人間ですか…?
それで抑えてくれるならって苦しいですか…?
自ら隙を見せて受け入れてしまう弱い部分。
アウトだと知りながら止められない自分。
暗闇でもはっきり顔が見えてきた。
ニッコリ笑う癒やしの笑顔。
「香帆さんのハグ、好き」
何の濁りもなくこんなこと言われてみてよ。
胸の奥がキュンとして口元が綻ぶ。
「よし、収まったんならご飯にしようか?」
「うん…!」
こんな可愛いペット、欲しかったかも……なんて都合の良い解釈だけど。
本当に大型犬みたいに思う。
私………酔ってたとは言え。
今、目の前に居る彼に初対面でキス……しちゃったんだよねぇ?
とんだ恥晒しだ。
たくさん頬張るから本当世話の焼ける。
ティッシュで口元拭ってあげたらまたクシャッと笑って心を奪っていく。
私こそ……見境つくのかな。
とにかく彼が癒やしになってることは確か。
たまにさっきみたく発情期があってドギマギするけどやっとこさ一線引けてる状況。
間違いなく……前途多難な関係だよね?
家にあげてる時点で潔白のしようがないのに、許してる自分が一番アウトだ。
いつしかゲームオーバーする日が来るのだろうか。
リセットする日が……?
