先輩、これって恋ですか?
智紘先輩のお家の前で悩んでいるその時──
「うちの家に何か用かな?」
─と、男の人の声がした。
…やばいっ…
怪しまれたのかな…!?
──なにか弁解をしよう、と思って「あの…っ」と声をかけようとする。
─が、たった今、男の人が言った言葉が引っかかってしまい、気がつけば「……うちの家……?」そう呟いていた。
……あれ、でも。お父さんと二人暮らしって言ってなかった…?
それとも、ただの聞き間違い…?
キョトンとしたまま考え込むわたしを見て、男の人はクスッと笑ってこう言った。