先輩、これって恋ですか?


その言葉を聞いてカチンと固まる智紘先輩。


「あ、あの…?」

「…」

「智紘先輩…?」


──すると突然、抱きしめていた腕を緩めると、ガバッとわたしの両肩を掴む。


「他のやつとキスしてたの!?」

「えっ…? いや、あの…」

「高校入学する前!? 入学してから!?」

「いやっ、違っ…。」


智紘先輩は、何かを勘違いしているようで。

それを説明したいのに説明できないのは、先輩が答える時間を与えてくれないから。
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