君の子守唄
借りたルームキーを使って入ると

俺が予約した部屋より、数段上の部屋が広がる。

会長がムリして取ったらしい。

あぁ~。

思わずため息が溢れる。

こんなはずじゃなかった。

ホントは、美味しいご飯を食べて

二人で沢山話して、卒業と入学祝いを贈るつもりだった。

ベットに近づいて

眠ってる寧々の寝顔を覗き込むと。

瞳から口にかけて、沢山の涙の痕が残っていた。

……………沢山泣かせたんだな……………。

申し訳ない気持ちに

ソッとおでこにかかった髪を掬って、キスをする。

ごめんな、酷いこと言って。

でも、やっぱりお前は………

俺にとっては、幼い女の子だ。

娘の成長に、ドキドキすることはあっても

これ程年の離れた子供に、恋愛感情を募らせる事はないよ。

寧々も、一時の気の迷いなんか直ぐに忘れて。

新しい恋を見つけなさい。

年相応の、男の子を…………。

スヤスヤ眠る、あどけない彼女にソッと。

今度は頬にキスをして、隣のベットに入った。

昔と何も変わらない。

叔父のような。

兄のような気持ちで、接しよう。

心に深く誓い…………眠りについた。
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