君の子守唄
後2日。

このまま二人でいても楽しめないだろうと

寧々に中止することを伝えた。

昨日、俺の元から飛び出したくらいだから

もちろん寧々も賛成すると思っていたのに………

まさかの『NO』

「いや!
このまま終わったら
彰人君……………もう二度と遊んでくれないもん。」と………。

正直、鋭い寧々に驚いた。

おでこにキスすることに

意味がなかった頃と違うのだと………気づいた瞬間から

寧々の側にいることが、怖くなった。

もう幼い寧々ではないのだと、分かった時よりも。

女として扱ってしまいそうな、あの時の方が…………。

恋愛対象になりうるんだと………分かってしまったから。

「卒業するまで、後2日。
いっぱい思い出作りたい。」

そう訴える寧々の決意に…………

ダメだとは、言えなかった。

例え自分が………

『揺らがない』と強く言えない不安を抱えていても…………。

寧々は、俺にどこまでの恋心を抱いて

卒業しようと考えているのだろう?

離れなければと思うのに…………つい、そんなことも頭をよぎる。

「寧々。
寧々はどうして、卒業するって言うんだ?」

寧々の気持ちには、気づいたけど。

俺のように、女と思い手を出すことが怖いわけでもない寧々が。

卒業したい気持ちは…………理解できないでいる。
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