運命の赤い糸の先には…
昼休み ーー

「美咲、購買行こ。」

私は教室を出て、友達と一緒にお昼に食べるパンとジュースを買いに購買へ向かう。

「そういや美咲、この間の合コン相手の1人が美咲と2人で会いたいって言ってるけどどうする？」

「え～誰？まさかあのよく喋るチャラ系の人かな。私パス。」

「そうそうその人って、名前くらい覚えてあげなよ。ホントに断っていいの？イケメンだったじゃん。勿体ないなぁ。」

私はエヘヘと苦笑いしながら歩く。有難い事に度々告白されるが、誰とも付き合ったことはない。彼氏にするならちゃんと私が好きになった人がいいからだ。

ドンッ

友達との会話に夢中で誰かとぶつかってしまった。

「ごめん。大丈夫？」

ぶつかってしまった相手が声をかけてきた。背が高く眼鏡をしたパッと見文化系の真面目そうな男子生徒が私の前に立っている。

「ちゃんと前見て歩いてなかった私が悪いわ。ごめんね。」

私は謝りながらペコッと頭を下げる。すると床に一冊の本が落ちていた。彼が落としたのだろうか？取り敢えず本を拾い上げた。

「はい、本。」

私はそのまま拾い上げた本を彼に渡し、もう一度ペコッと頭を下げて友達のところへ走った。

「遅かったじゃん。眼鏡君と恋でも始まったかぁ？」

友達はニヤニヤしながら私を冷やかしてくる。

「あはは、そんなわけないじゃん。」

私は友達の冷やかしを笑い飛ばす。そして購買でパンとジュースを買ってまた教室に戻った。
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