運命の赤い糸の先には…
放課後 ーー

退屈な授業も終わり、私は急いで帰る準備をする。今日は金曜日、私にとって金曜日の放課後は特別な時間だった。

「おーい、美咲。今日N高の人達と合コンあるけど行かない？アンタを連れて来いって言われてるんだよね。」

「ごっめーん。今日は無理。用事あるんだ。また今度誘って～。」

クラスメイトからのせっかくの誘いだったが、私はごめんなさいと手を合わせて断って足早に教室から出た。

「美咲(あのこ)、金曜日はいつも何かの予定が入ってるんだよね。」

私が教室から出た後、友達がフォローしてくれたみたいだ。

「マジで？ついに彼氏でも出来たか～？」

一方、教室を出た私は急いで家に帰った。

家に帰り着くと顔を洗いギャルメイクを落とし、服も清楚系に着替える。そして髪も一つに結び、再び家を出た。

そのまま歩いて駅に向かい電車に乗る。同じ高校の制服を着た学生達もいるが、普段のギャルメイクとは違うナチュラルな今の私を見て藤倉 美咲と気付く人は恐らくいないだろう。

二駅ほど過ぎると私は電車を降りた。そして10分くらい歩くと目的地に到着した。

「着いた～。」

私はワクワクしながら笑顔で中へ入る。中へ入ると、たくさんの本が棚いっぱいに並んでいた。

そう、ここは『図書館』だ。私は金曜日の授業が終わると、いつもこの図書館に1人で来て本を読んでいる。

「今日は何を読もうかな。」

本棚の前を歩きながら本を物色していると、一冊の本が目に留まった。その本を棚から取りじぃっと見る。

「やっぱりあの時の・・。」
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