ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
そんな彼は濡れていた私の頬を親指で優しく拭い
じっと私を見つめてからおでこにキスを落とし
「俺らのやり方で前に進めばいい。」
そう言ってしばらくしてから頭を撫でてくれた。
唇にキスされるかと思ったのに
それはくれなかった。
そして
「身体、冷やすなよ。」
と布団をすっぽりと肩までかけてくれてから病院へ向かってしまった。
その後ろ姿は
いつも夜中にここから出かける彼のものではなく
なぜか病院で見かける彼のものに見えて仕方がなかった。
そして
ベッドにひとり残された私はというと
自分がどうしたらいいのかを
考えることができないまま
約束をくれたけれど
唇にキスをくれなかった彼が
何に気がついて
何を感じたのか
・・・何ひとつ聞くことができないまま
この先どうなるのかわからないという不安だけに囚われ続けた夜をじっと過ごした。