ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活

彼女のおかげで頑張ろうと思った私は
プチどらやきの箱を抱えたまま臨床心理室に戻った。


「あっ、高梨さん、、、じゃなかった。日詠さん、美味しそうなもの、持ってるジャン♪」

その箱の存在に目を光らせた先輩心理士に声をかけられた。


『コレ、、産科の看護師さんに頂きました、よろしかったら皆さんで・・』

「食べる、食べる~・・・ってそういえば、早川さんの症例の情報収集、できた?」

『あっ、それができませんでした。バタバタしてて・・・』


ナオフミさんとの騒動で大切なことを忘れていた。
早川室長のクライアントの情報収集をすることを。



「あっ、そう?・・・でも今日は情報収集できてなくてもいいよ。カンファレンス、流れたし。」

『えっ、流れたんですか?』


先輩にプチどらやきの箱を差し出しながらその理由を尋ねてみた。

ありがとうと言いながらどらやきを手に取り満足気な先輩は


「そうそう、ダンナ様、ご登場のおかげで。」

『ダンナ様?・・どなたの・・・ですか?』

先輩はニヤリと笑った。



「アナタの、ダンナさまです~。結婚したって噂、聞いたよ~。水くさいじゃん。黙ってるなんてさ。」

ナオフミさんがすぐそこにいるの?

さっき産科のナースステーションから戻ってくる時はその場に姿がなかったから
産科外来とかに行ったのかと思っていたのに




どうしよう・・・・・



< 160 / 367 >

この作品をシェア

pagetop