ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Hiei's eye カルテ15:misunderstanding



【Hiei's eye カルテ15:misunderstanding】



“昨夜、あんなことがあったのに、やめられなくてゴメン・・・・”

“理性を保てる限度だ”



伶菜の前でそんな本音をこぼし
そうやって散々、ヘタレっぷりを露呈した後に

『・・・・・宿題終わったら、覚悟しろよ。即、実行だから・・・』

俺が伶菜の前でつぶやき続けたかっこ悪い言葉の極めつけはコレだった。


それなのに目の前にいる伶菜は
いまひとつ理解していなさそうな表情で首を傾げたまま頷いた。

ま、正確に理解されても
正直恥ずかしいだけだしな

こんなカッコ悪くて恥ずかしいことも
初めてかもしれない

自分から相手の身体だけではなく
ココロをも欲しいと思うことも


「・・・・・・覚悟、、、、実行・・・・覚悟、、、実行・・・・実行・・・・あたし、、、、クビ?!」



しまった
やっぱり理解できてないか

もしかして
セラピストとして覚悟しろって捉えたのか?


このまま誤解させたまま
この症例をやれっていうのは
あまりにも重圧だろうな



『クビになりたいのか?』

「いえ、そんなこと、は・・」

『じゃあ、頑張れるんだな。宿題。』

「・・・あ、ハイ・・・まあ、なんとか・・・」


伶菜はなんだか歯切れの良くない返事を続けた。


多分まだ誤解したままなんだろうな
自分の気持ちを明確に言葉にするのは
やっぱり恥ずかしいけど
仕方ないか


『伶菜、あのさ・・・宿題が終わったら・・・』

「やっぱりクビですか?!」

ったく、相変わらずだな



今度こそ最後まで
ちゃんと聞いておけ

今度こそ誤解させたりしないから




『宿題が終わったらお前を抱く。』

「エッ?!!!!!!!!」

『最後までな。』

「・・・・・・・・」



俺をじっと見つめながら凍りついた伶菜。


さすがにここまでハッキリ言ったらわかるだろう
でもそれと引き換えに
明らかに顔が引きつっている彼女の表情を目の当たりにすると
俺はもう後悔し始めている


「無理無理、、、ムリ、、、だって・・・」


さらに拒否されて
どっぷり後悔するハメに

でも理由ぐらいは聴く
なんでムリなのかを


「私、、、昨日みたいになったら、どうしていいのか、わからないから・・・」



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