ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



「メロン」

『・・メロン?!』

きっと関係があると思われた食べかけのメロンパンを指さしてみた。




バコッ!!!!!


「メロンパンじゃなくて、メロンだってば!!!!」


再び振りかざされたバインダー。
この人は俺に対して容赦というものを知らない。

多分俺のことを弟ぐらいに思っていてくれて
俺自身も福本さんのことを姉貴ぐらいに思っているからだろう


『メロンが、何か?』

「ついこの間、伶菜ちゃんと食堂でランチしたのよ~。で、メロン食べたら、苦いって言ってたから・・・一度アレルギー検査をしておきなさいって言っておいたわよ。」



メロンアレルギー?
伶菜自身からは聞いたことなかったな
花粉症がひどいって春先はいつも悩んでいるみたいだったけれど


「だから季節限定のフルーツ大福屋でメロン大福とか買ったりしちゃ駄目よ。伶菜が喜ぶから行列に並ぶんです~って忙しいクセに大福屋には並ぶんだから。」

『スキだから仕方ないです。』

「どっちが?大福?それとも伶菜ちゃん?ちゃんと答えないとアンタの過去の女関係の悪事、伶菜ちゃんにバラす。」


適当に流すと本当に仕掛けてくるから
この人の前ではテキトーという言葉は
存在しないに等しい


『どっちもってトコ・・・です。』


バシッ!!!!!

もう一度自分に向かってくると予測したバインダーを
メロンパンを持っていない左手で受け止めた。



「よけるなんて、やるじゃん!幸せボケ街道まっしぐらなナオフミくんはもう一発命中すると思ったのになぁ。」

福本さんは口を尖らせながら俺の左手から強引にバインダーを抜き取った。


「幸せボケしてると、また、研修医に付け入られるわよ~。伶菜ちゃんのカウンセリングルーム近くで研修医たちがウロウロしてるって早ちゃんがボヤいていたからね・・人妻相手でも遠慮なしだって。」

『どこの診療科の研修医?』


いつかの、総合診療内科にいた前田じゃないとは思うけどな


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