ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Hiei's eye カルテ22:our maternity life


【Hiei's eye カルテ22:our maternity life】


『もし仕事と重ならなかったら、一緒に参加しませんか?!』


夜勤明けの朝、自宅のダイニングテーブルの上に朝食と一緒に置かれていたメモ書きを声に出して読んでから、その下にも置かれていた黄色い紙を手に取った。


『両親学級のご案内・・か。』


それには奥野さんの名前が講師として書かれていた。
やっぱり伶菜は奥野さんがいる城北病院に通院していたんだな
奥野さん自身も伶菜が妊娠したら自分が主治医になるって口にしていたぐらいだし

でも、奥野さんとキスしてしまったあの日以来
伶菜から奥野さんのことを聞かされたことはなかった

気持ちが入っていなかったとはいえ
俺が奥野さんとキスした事実は確かで
それによって伶菜に辛い想いをさせてしまったこともあり
俺からも伶菜に対して奥野さんの話題に触れたりすることはなかったから

『いつの間に、、、なんだろうな。』

てっきりあの日以来接点がないものだと思っていたふたりが
再び患者と主治医の関係になっていたなんて
何がきっかけになったんだ?と余計なことまで気になってしまう
お互いに気まずい雰囲気になっていないといいんだが・・・


こうなったら行くしかないだろ、両親学級に

しかもウチの病院と同様
城北病院も両親学級に父親が出席しないと
出産に立ち会えないルールだったはず

祐希を出産した時は
伶菜は東京、俺は名古屋にいて
しかも、俺は彼女の主治医を自ら降りた身で
彼女の傍にも居てやれなかった

だから今度の出産こそはせめて傍には居てやりたい
そう思ってるから


『もしもし、美咲か?忙しいとこ、悪い。』

「お疲れ様です。夜勤終わったんですよね?」


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