ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「パパ~、ママ~。おなかすいたあ!!!!!」
「おやつ、足りなかったか?何、食べたんだ?」
「アイス♪」
「美味かったか?」
「うん♪またたべたい~。」
「よし。わかった。またな。」
ひょいと軽々と祐希を抱き上げ肩車をするナオフミさん。
祐希もきゃっきゃっとはしゃぐ。
「パパ~。ママのおなか、おもい?」
「どうだろうな。赤ちゃんが入っているんだから重いかもな。」
「あかちゃん、ねてるの?」
「寝てるかもしれないし、起きてるかもしれないし。帰ったらお話してみようか?」
「うん♪」
それでもこうやって
祐希とまっすぐに向き合ってくれているナオフミさんが
祐希とこれから生まれてくる赤ちゃんの未来を導いてくれるお父さんでいようとしてくれている
だから
彼に主治医を担ってもらうことにこだわらなくてもよかったんだと思うことにした。
「もしもし/////」
「待て!」
「みみ、いたい~!!!!」
「これはママのお腹に当てて、赤ちゃんの声を聞くんだ。」
「こう?」
「そう。」
「・・・・どん!!!!ってきこえる」
「赤ちゃんが元気だよって言っているのかもな。」
帰り道の途中、玩具屋さんで購入したおもちゃ聴診器の使い方を
祐希にわかりやすく教えてあげるナオフミさんは
きっと彼と私の大切な子供達が憧れる男性になると思えたから
だから
彼が父親という立場を大切にしてくれているその姿だけを
傍で見守っていればいいんだ
・・・・・そう思うことにした。
そう割り切ってしまうぐらい私は穏やかな気持ちで
彼と一緒に新しい命を育てる日々を送った。
その日々は
とても優しく
ゆったりと時が流れた。
このまま、この時がずっと流れてくれたらいいのに
そう思っていたのに・・・・
優しい時の流れは
私が予想していなかった時の流れへと姿を変えた。