お前は、俺のもの。

「まったく。一ノ瀬課長の言う通り、君は本当にお人好しだね。どちらかといえば君は被害者なんだから、素直にこの鍵を使っていいんだよ。もちろん、ロッカーの代金も払う必要はないよ」

何故、鬼課長がロッカーのことを知っているのか。
彼にはいろいろ知られたことが多いが、ここまで知られると私に盗聴器でもついているのか、と思ってしまう。

「あの、何故、一ノ瀬課長はロッカーのことを?」
「さあ…誰から聞いたか知らないけど、彼は本当に怒っているようだった。きっと君は大切にされてるんだと思ったよ。この前と同じことが起きないように、このロッカーは人がいない時に使うことをオススメするよ」

そう言い残して、石川係長はエレベーターに乗って去っていったが…。

「人がいない時に使えって…朝早く出勤して、夜遅く帰れってこと?」

ブラック企業じゃあるまいし。
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