僕はペットで離婚を決めました

 夜寝るときになった。


「ねぇ美奈。小太郎の事なんだけど」

「え? 何? 」

「寝る場所変えない? ここにいると、ほら、小太郎が邪魔するじゃないか」

「え? 小太郎が邪魔? ただじゃれているだけじゃない。待っててって言ったら、ちゃんと座ってくれてたわよ。謙ちゃんが無理って止めちゃったんじゃないの」

「だって、あの状況じゃそうなるだろう? せめて、アノ時だけでも別の場所にできないか? 」

「うーん。そうね、その時だけならいいかも。今度からそうするわ」


 美奈はサラッと謙の言う事を流していた。


 だが謙は口には出さないが、フツフツと不満が湧いていた。




 謙が不満が湧いてきたのは、小太郎がアレの邪魔をするからだけではなかった。



 寝室に犬のゲージがあり、一緒に寝ている事もそうだが。

 そのゲージの中で小太郎は用足しをしている。

 時には大きいのをしている。


 その臭いが強烈で、いくら喚起をしても寝室に匂いがこもり始めているのだ。



 美奈が気を付けて始末してくれているならまだいいが、いつも放置しているばかりで始末をしたことは一度もなく、いつも謙が始末している。


 ゆっくり休める寝室に何故、犬の臭いばかりか用足しの臭いまでこもらなくてはならないのか? 

 いつもアレの時は鳴いたりゲージから出てきて邪魔ばかりしている。


 人間が寝る場所に犬がいるのはどうゆう事だ? 


 正直、謙は怒りを覚えていた。
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